シーリング防水について
①工事の目安
・築年数10年以上経過
・シーリングの剥がれが見える
・ヒビ割れが発生している
・亀裂が入っている
・下地が見えている など
経年劣化や老朽化が見られた場合は、シーリング防水工事を検討しましょう。建物の劣化原因の漏水を防止する、定期的な防水性の高い防水塗装を行う事で、美しい外観の維持と劣化の低減につなげることが出来ます。
②工事の時期
劣化が進んでしまう前に、見つけ次第すぐに依頼するのがよいでしょう。シーリング工事のみの場合、他箇所への工事のような、湿気などの影響をそれほど考えなくてもよいため、比較的業者に空きがある夏・冬に依頼をすると、依頼から施工までの期間を短くすることができます。
③工事の種類
打ち替え工事
既存のシーリングを除去し、新しいシーリング材を塗布する工事です。隙間をしっかりと埋められるため、防水性をあげることができます。
ただし、手間がかかる分、打ち増し工事よりも費用がかかります。
打ち増し工事
既存のシーリングの上から、新しいシーリング材を重ねる工事です。既存のシーリングと馴染ませることはできないため、時間が経つと徐々に剥がれがでてきます。そのため、耐用年数が短くなります。
④防水材の種類
アクリル系
・潤滑面でも粘着質があり、多くの仕上げ塗料に対応可能。
・低温での使用は注意が必要。
・硬化までに時間がかかり、雨に触れると流失する。
・ACL壁の目地への使用が多い。
ウレタン系
・弾力性があるため、下地の動きに追従可能。
・多くの仕上げ塗料に対応可能だが、紫外線に弱いため、仕上げをしっかり行うことが必要。
・露出状態の場合耐候性に劣る。
・外壁防水塗装工事時に施工することで、シーリング材の保護が行える。
シリコン系
・下地に対する追従性は期待できないため、外部の目地には適していない。
・ガラス類への接着性が良いため、建物のガラス廻りに使用される。
・湿気の多い浴室や洗面台廻りにも使用される。
変成シリコン系
・耐候性、耐久性、ガラス材以外の材料への接着性に優れている。
・上に塗装を被せることができるため、外壁目地に使用される。
・モルタル、金属とも相性が良い。
シーリング防水のメリット・デメリット
メリット
・一般建物ではシーリング表面に劣化がある場合、すぐ対応する事で雨漏りを防げる。
・防水塗装などの外壁メンテナンスと同時に行う事で、足場仮設の費用が一度で済み、その分コスト削減になる。
・定期的な点検や、メンテナンス工事を行う事で健全な建物の維持につながる。
デメリット
・永久的に防水性能を発揮するわけではないので、定期的な補修が必要になる。
・シーリングの種類によっては、塗装が必要になる。
・劣化がひどく既存のシーリングを全面やり直しが必要となった場合に、それなりの工事期間が必要になる。
・施工にあたっては、シーリング性能を発揮させる、水密性や気密性の防水機能を確保した仕上げの技術が要求されるので、腕の良い業者にお願いする必要がある。